2011年05月22日

出版計画2011年〜2028年

color5記譜法による楽譜出版計画について記載していきます。
※2011年12月22日現在の状況

■2011年 [2011/12/31更新]

【出版済】

アルベニス:組曲イベリア第2巻第3曲「トゥリアーナ」【出版済】
変位記号が多いイベリア第1弾です。
ショパン:練習曲Op.10-11(アルベジオ)、12「革命」、幻想即興曲(初期稿+決定稿)【出版済】
変位記号が多いショパンも出版していきます。
ジュリアン・スクリャービン(スクリャービンの息子) 前奏曲(4曲)【出版済】
父アレクサンドルの中後期作品に似た作風。変位記号が多くあるので
color5にて譜読みしやすくしました。自筆譜付。
ウェーベルン 変奏曲Op.27【出版済】
横長A3サイズにし曲想が変更する部分のみ改行し、作品の幾何学的な美しさを
余すところなく再現した。また、大譜表を大きな1段譜と捉えた記譜により、
手の交差が可視化され譜読みもしやすくした。
バッハ:6声のリチェルカーレ【出版済】
バッハの中で最も混み入った鍵盤作品。従来の記譜法では変位記号がどこについているのか
わかりにくく、また上下段が離れているため運指も見つけにくかった。
color5でその両方を解決する。
バッハ:フーガの技法【1〜7出版済み,8以降準備中】
全作品運指付きは多分世界初(?)数曲ずつのまとまりに分けて出版いたします。
プロコフィエフ=不破:ピアノ協奏曲第2番第1楽章(ピアノソロ編曲版)【出版済】
生誕120年記念。Sergei Sergeevich Prokofiev、1891年4月23日 - 1953年3月5日。
8月13日「ぴあの好きの集い」(上野奏楽堂)等で演奏。
学生時代に自分で編曲したものです。
リスト:死の舞踏(作曲者によるピアノソロ版にカット部分を補追したもの)【出版済】
生誕200年記念。Liszt:1811年10月22日 - 1886年7月31日。
10月16日「リスト生誕200周年記念演奏会」で演奏。
リスト パガニーニ練習曲から第3曲「ラ・カンパネラ」【出版済】
大譜表を大きな1段で表現することから生まれる柔軟な運指を付与して出版。
(一部「超」運指法に紹介済み)
ラヴェル=不破:ピアノ協奏曲ト長調第2楽章「アダージョ」(ピアノソロ編曲)【出版済】
たいへん美しい楽章。既にソロにはサマズィール版がありますが、あの印象的な伴奏部分に省略が多いため
それを補う編曲。なるべくピアノソロパートはそのまま残しました。
ラヴェル:「鏡」より第1曲「蛾」【出版済】
たいへん臨時記号が多いこの作品。手の交差も多く、color5記譜法が大変有用。自分にあった運指を素早く発見できます。


【準備中】


スタンチンスキー:エチュードト長調【ほぼ完成・調整中→2012年出版予定】
使用する音域が極めて広い作品。color5 3段譜の利便性を活用する。
音源もないのでMIDI音源付で出版する。


■2012年 [2011/5/24更新]

バッハ:ゴルトベルク変奏曲【一部完成】
一段鍵盤用に最適化した記譜・運指で出版。ピアノやクラヴィコードで演奏するのに便利。
めまぐるしく交差する模様が可視化され、運指の決定をしやすくします。
(従来の版は2段チェンバロを想定した運指しか付与されていません)
アルベニス:組曲イベリア、アスレーホス等
既に演奏会で使用した楽譜から出版していきます【トゥリアーナは出版済、聖体祭は作業中】。
アスレーホスは特に奇怪な記譜なので是非color5の「大譜表を大きな1段で」の効果を試してみたい。
また変位記号の多いラバピエスやエルポロもcolor5が役に立つと思います。
シェーンベルク:ピアノソロ作品
Arnold Schoenberg, 1874年9月13日 - 1951年7月13日
おそらくこの年に著作権が切れるシェーンベルク。
臨時記号の嵐の作品をcolor5で見やすく浄書してみます。
ローゼンタール シュトラウス幻想曲、ウィーン謝肉祭、蝶々(、変奏曲)
生誕150年記念。Moriz Rosenthal, 1862年12月18日 - 1946年9月3日。
シュトラウスものは、きれいな譜面があまり出回っていない。
臨時記号も多いのでcolor5で見やすく浄書。
スタンチンスキー 4つのカノン前奏曲(最晩年)
第2曲「4声のカノン」が特に美しい。大変音域が広く従来の2段譜では
譜読みが難しいため、color5による3段譜で緩和をはかる。
また、快活な第1曲は音域が広いのに加え、手の交差も多い。これも
大譜表を大きな1段譜と捉えたcolor5の記譜で運指を検討しやすくする。
ショパン=バラキレフ ピアノ協奏曲第1番第2楽章(ピアノソロ版)
編曲の鏡のような作品。原曲に何も足していない。、
気づかれない程度にわずかな省略を実施し、ぎこちない跳躍がほとんどない。
きれいな譜面が出回っていないので、浄書して提供したい。
フリードマン オルゴール
これもきれいな譜面が出回っていない作品。私が知る限り「オルゴール」という
名のつく作品の中で最も美しい。


■2013〜14年 [以下2011/8/11更新]

フェインベルク:ピアノソナタ第1番
スクリャービンの影響を受けた単一楽章ソナタ。使用する音域が広く、大変美しい。
しかし、実際の音程と音符の位置(高さ)に齟齬が多く譜読みしづらい。color5記譜法で解決します。
余力があればソナタ全12曲を少しずつ手がけてみたいです。2013年頃に著作権が切れるはず。
Samuil Evgenyevich Feinberg, 1890年5月26日 - 1962年10月22日
チャイコフスキー=フェインベルク:交響曲第6番「悲愴」から「スケルツォ」
ピアノ編曲の最高傑作の一つ。ベルマン、ヴォロドスの録音で有名。
クレンゲル 48のカノンとフーガ
ドイツ/1783〜1852。ショパンがいたく気に入っていた同時代の作曲家。この時代の対位法的作品の空白を埋める大作。生誕220年(2013年)、没後150年(2012年)。

ドイツのピアニスト、オルガニスト、作曲家。1783年ドレスデンに生まれる。1803年よりクレメンティに師事。ペテルブルクへの演奏旅行で大成功を収め、その後ロンドン、パリ、イタリア各地を回り、 1817年に故郷のドレスデンに戻って宮廷オルガン奏者としての職を得た。 作品には48のカノンとフーガ、ピアノ協奏曲、室内楽曲、歌曲、ピアノ曲などがある。


プロコフィエフ:ピアノソナタ第6〜8番(戦争ソナタ)
没後60年。Sergei Sergeevich Prokofiev、1891年4月23日 - 1953年3月5日
作曲家以外の運指付きは初
ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番、音の絵、第2ピアノ協奏曲(ソロ編曲)、パガニーニ狂詩曲第18変奏(ソロ編曲)
生誕140年、没後70年。1873年4月1日(当時ロシアで用いられていたユリウス暦では3月20日) - 1943年3月28日


■2015年

スクリャービン:ピアノソナタ第6番〜第10番、幻想曲
没後100年記念。1872年1月6日 - 1915年4月27日
ラヴェル:夜のガスパール、鏡、優雅で感傷的なワルツ、クープランの墓、フーガ(ピアノ譜にて)
生誕140年。Joseph-Maurice Ravel , 1875年3月7日 - 1937年12月28日。
どの曲も手の交差が視覚的に判明するcolor5記譜法が大変有用。自分にあった運指を素早く発見できます。
また、鏡や優雅で感傷的なワルツのように臨時記号が多い作品もcolor5により譜読みが楽になります。
バッハ:平均律クラビーア曲集
生誕330年。Johann Sebastian Bach, 1685年3月21日(ユリウス暦) - 1750年7月28日
アイヴス:ピアノソナタ第2番「コンコード」
偉大なるアマチュア作曲家アイヴスの最高傑作のひとつ。生涯保険業を経営するなどし音楽の職には就きませんでしたが、5曲の交響曲や無数の室内楽を初め多くの作品を残しました。2015/5/23に著作権が消滅するはず。


■2016年

グラナドス:ゴイエスカス
没後100年。(1867年7月27日 - 1916年3月24日)
広い音域を縦横無尽に行き交うオーケストラ的作品。
ファリャ:4つのスペイン風小品、アンダルシア幻想曲
生誕140年&没後70年Manuel de Falla y Matheu, 1876年11月23日カディス - 1946年11月14日アルゼンチン・コルドバ


■2017年

ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲
無茶な手の交差が多い作品。ケガをしにくい運指を掲載。可能ならカデンツァを載せる。
没後120年。(Johannes Brahms, 1833年5月7日 - 1897年4月3日)
シューマン:交響的練習曲、トッカータ、幻想曲
手の交差を解く記譜が出来る。Robert Alexander Schumann, 1810年6月8日 - 1856年7月29日


■2018年

ゴドフスキ ショパンのエチュードによる練習曲選集:
没後80年。(1870年2月13日-1938年11月21日)
No9(黒鍵タランテラ)、No13(Op10-6)、No25(Op25-1 第3バージョン)、No42木枯らし、No45(3つの新しい練習曲第2番)、No47冗談、No48 Op10-11+Op25-3
人気が高く、譜読みの困難さえ乗り越えることが出来れば演奏できそうな作品を選抜。


■2019年

ゴドフスキ:パッサカリア
ホロビッツが「手が6本必要だ!」といってさじを投げた作品。


■2020年

メイヤール:各ピアノ作品
Billy Joseph Mayerl (May 31, 1902- March 25, 1959)
爽やかなジャズ系ピアノ小品が大量にある。おそらく2020年著作権が切れる。


■2026年

ショスタコービッチ:24の前奏曲とフーガ、ピアノソナタ2曲
2026年に著作権が切れる予定。 1906年9月25日(ロシア暦9月12日) - 1975年8月9日


■2028年

ヴラディゲロフ:各ピアノ作品
Pancho Haralanov Vladigerov, 1899年3月13日 チューリヒ - 1978年9月8日
ブルガリアの作曲家。複雑ながらロマンティックで美しい作品が大量に存在する。
ワイセンベルクの師匠。この年に著作権が切れる予定。


■2032年

ストラビンスキー:春の祭典(2台版、ピアノソロ編曲)、ペトルーシュカからの3楽章
2032年に著作権が切れる予定。Stravinsky、1882年6月17日 - 1971年4月6日


各作曲家のアニバーサリー年に絡めつつ出版できればと考えております。
posted by ふわ at 18:29| Comment(6) | 出版計画
この記事へのコメント
このような素晴らしいお仕事をなさっていらっしゃるあなた様はどなたなのでしょうか?
本題に入ります。
ラヴェルPコンinGの2楽章は私のbPです。弾きたくてもコンチェルトでは死んでも無理なものですから、ソロ楽譜が手に入りますればこんなに嬉しいことはありません。
いつごろリリースされますでしょうか?
楽しみにお待ちしております。
Posted by K.F at 2011年05月29日 17:32
コメントありがとうございます。「楽譜の風景」というホムペを運営しております、ごく普通の社会人です。
既に頭の中およびメモでは完成しておりますので、今年中の完成を目指したいと思っています。
今年は期せずして3曲のピアノコンチェルトソロ版を浄書することになりそう。
Posted by ふわ at 2011年06月08日 23:32
とても画期的な楽譜ですね.あなた様の発想力と行動力に感銘を受けます.                                              ショパンなどのメジャーな作曲家やローゼンタールのようなマイナーな作曲家の作品の楽譜をキレイに.そして読みやすく出版してくれているのがとても嬉しいです.
Posted by 志 at 2011年08月03日 19:55
ありがとうございます。人生は長くないですから、皆様が少しでも早く譜読みが出来るように、と願っています。ということで、保留にしていた早速ショパンをチェック。
Posted by ふわ at 2011年08月03日 22:36
素晴らしいと思いました。是非平均律も出版して頂きたいです!
お時間がかかるとは思いますが、せめて、御自身でも録音されていた第2巻第9番フーガを先に!
Posted by A太 at 2011年08月04日 00:57
はい。平均律も是非手がけてみたいと思っています。ほとんどのピアノ弾きが通る楽譜ですから、人類の譜読み時間総和に対する削減影響も大きくなりそうで、やり甲斐があります(笑)。特に第2巻はまだ良い運指の楽譜がないので、そういう面でもトライしてみたいです。フーガの技法、ゴルトベルク変奏曲の次になると思いますが、気長にお待ち下さい。
Posted by ふわ at 2011年08月06日 01:56
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